スマートスピーカーと音声広告市場の未来
スマートフォンの再現
スマートフォンにおいてはAndroidとiOSがOSの二大巨頭となっており、合わせると全体の90%以上のシェアを持っています。
現在の生活では何かしたいことがあるとまずスマホアプリを使います。それは暇つぶしであったり仕事であったり情報収集であったり。何をするにもまずスマートフォンを使います。
スマホアプリというのはシェアから見ても基本的にGooglePlayStore(Android)かAppStore(iOS)のどちらかのプラットフォームに乗っかっています。そしてこの二つのプラットフォーマーたちは販売されるアプリ(及びアプリ内課金)の販売手数料を得ています。どちらも取り分は30%で巨額な利益を生み出しています。
日本ではここ数ヶ月で多くのスマートスピーカーが発売されました。そして今後インターフェースの一部がスマートフォンからスマートスピーカーへ、つまりアプリ(視覚&触覚)から音声(聴覚)へとシフトしていきます。
そうなると何が起こるかというと、音声というプラットフォームのシェアの奪い合いが始まります(とっくに始まっているんですが)。現在そのマーケットリーダーはAmazonです。米国におけるスマートスピーカーのシェアの70%超を占めています。次点のGoogleは24%程度です。
スマートフォンでいうスマホアプリのようなものがスマートスピーカーにもあります。Amazon Echoでは「スキル」といい、Google Homeでは「Actions on Google」といいます。これらのスマートスピーカーアプリ(と便宜的に呼びます)を提供している日本企業はすでにたくさんあり、有名どころでいうとradikoや食べログなどです。
音声広告市場の拡大する未来
スマホアプリでは視覚における広告でしたが、スマートスピーカーアプリでは当然聴覚における広告です。イメージでいうとラジオやSpotifyなどで、コンテンツを提供する代わりに合間合間で宣伝広告を流す感じです。
インターフェースの移行に応じて音声広告市場は拡大していくと思われます。
音声メディアでここに対応しているスタートアップにVoicyという企業があり、11月8日にAmazon Alexa対応を発表しました。
音声広告市場という意味でいうと、広告を流す媒体はスマートスピーカーだけではありません。イヤホンも当然当てはまります。となると追い風となる存在がBluetoothイヤホンです。2017年はAirpodsが発売され、それに影響されてか他メーカーも続々と完全独立型を発売するなどBluetoothイヤホンも存在感を増した年だと思っています。Bluetoothイヤホンを使ったことがある方ならわかると思うのですが、非常に使い勝手が良く、私自身は自室内でもしばしば使います。さらには取り出して使用するまでが有線イヤホンに比べて簡単なので、スキマ時間での使用頻度は確実に増えました。
また、可処分時間からみても成長が見込めるのではないかと思っています。スマホでの視覚の可処分時間は激しく飽和しているように思えますが、聴覚はまだ空きがあると思います。歩きながらイヤホンで何かを聴いている人はまだまだ増えると思いますし、自宅でもスピーカーかイヤホンを通して音楽以外を「聴く」ことは今後増えていくと思います。例えば私自身、毎朝天気をGoogle Homeに教えてもらっています。忙しい朝にはかなり便利で自宅で天気をスマートフォンで調べることはほとんど無くなりました。
まとめ
つらつらと思いつくままに書いてみました。スマートスピーカーアプリはスマホアプリ同様プラットフォーマーの手のひらの上で踊ることになりそうですが、スマホアプリもその上で巨大な市場になりました。そう考えるとスマートスピーカーアプリにも可能性は大いにあるのではないかと思います。